いい天気の日は、自転車が気持ちいい。
私はいま日本語学校の事務員として働いており、業務のひとつに「送迎」がある。
空港からバスに乗って近くのバス停に着いた学生を迎えにいく。
今日は短期学生のアメリカ人が来る日。
彼は、カリフォルニア出身で、伊勢エビ漁師であり、画家でもある。
物腰がとても柔らかく、話を聴くと、彼のおばあちゃんは日本人らしい。
「私は25%が日本人です。」という彼の右腕には「安倍」と漢字で彫られていた。
「Abe」というおばあちゃんの名字が、今の彼のミドルネームだ。
直接学校には向かわず、ちょうどうちのボスがシーミーしていたので、お墓にいった。
立派な墓で、ごはんをたくさんいただいた。
夜は、学校で新年度会&歓迎会。
英語と中国語が飛び交う。
周りはみんな英語や中国語がペラペラだ。
以前の私なら、言語が話せない自分に劣等感を抱き、自分自身が嫌いになっていた。
でも、最近気付いた。そのような自己嫌悪の気持ちは、何の進歩もない。
中途半端な英語と中途半端な中国語でもいいじゃないか。
いまはまだ旅の途中。
私は、相手の目をじっと見て、相手が何を話しているのかを一生懸命予想する。
そして、数少ない単語を使って、返事をする。
中途半端だといって自分を責めない。
中途半端は、逆に強みだ。
一生懸命相手のことを理解しようとする真剣な姿勢は、
誰にも負けないからだ。
自分を励まして、そして誓う。
もう少し、言語がんばるぞ。
だって、この人達と、楽しく話したいから。